印刷物が「擦れる」問題は、印刷後の文字や画像がにじんだり、薄くなったり、用紙に適切に定着しないために発生する現象です。
擦れる原因はさまざまで、主にインクやトナーの乾燥不足、用紙の種類、印刷機の設定、環境条件などが関与しています。
以下に擦れる主な原因とその対策について詳しく説明します。
目次
インクやトナーの乾燥不足
- 乾燥時間が足りない:オフセット印刷やインクジェット印刷では、インクが十分に乾燥しないと、用紙が印刷後に擦れたり、にじんだりすることがあります。特に速乾性が低いインクや、乾燥を促進する工程が不足している場合、インクが定着する前に触れられ、擦れる原因となります。
- 対策:
- 乾燥時間を延長することでインクが完全に定着するのを待ちます。
- 乾燥促進装置(UV乾燥機や熱乾燥機)を導入し、インクの乾燥を加速させることが効果的です。
- 速乾性インクの使用も選択肢です。
- 対策:
- インクやトナーの定着不良:レーザープリンターやデジタル印刷では、トナーが紙に定着するために熱や圧力が使用されますが、このプロセスが適切に行われないと、トナーが紙から簡単に剥がれたり、擦れやすくなります。
- 対策:
- 定着ユニットの温度や圧力の調整を行い、トナーが紙にしっかりと定着するように設定を確認します。
- 定着ユニットやフィルムが摩耗している場合は、部品の交換が必要です。
- 対策:
用紙の種類や質の問題
- 用紙の吸収性が低い:コーティングされた紙や光沢紙など、インクの吸収が悪い用紙を使用している場合、インクが紙の表面に長く残り、擦れやすくなります。また、紙質自体が悪い場合も、インクが適切に定着しにくくなります。
- 対策:
- 印刷の種類に適した吸収性の高い用紙を使用することが重要です。特にオフセット印刷では、インクが適度に浸透する未コートの用紙が推奨されます。
- 光沢紙を使用する場合は、適切な乾燥工程やコーティング後の乾燥時間を十分に確保することが必要です。
- 対策:
- 静電気の影響:用紙が静電気を帯びていると、インクやトナーが紙に定着しにくく、結果として擦れやすくなります。特に、湿度の低い環境では、静電気が発生しやすくなります。
- 対策:
- 湿度管理を行い、適切な環境条件(湿度50〜60%程度)を保つことで、静電気の発生を抑えます。
- 必要に応じて、静電気除去装置の使用も考慮します。
- 対策:
印刷機の設定やメンテナンスの問題

- 印刷機の圧力が不適切:印刷機の圧力が低すぎると、インクやトナーが用紙に十分に定着しないことがあり、これが擦れる原因となります。
- 対策:印刷機の圧力設定を確認し、インクがしっかりと用紙に転写されるように圧力を適切に調整します。
- 定着装置やローラーのメンテナンス不足:定着ユニットの温度やローラーが摩耗している場合、インクやトナーが十分に紙に転写されず、擦れやすくなります。
- 対策:定期的に印刷機の定着装置やローラーのメンテナンスを行い、必要に応じて部品を交換します。
印刷環境の問題
- 湿度や温度が不適切:印刷環境の湿度や温度が極端に高い、または低い場合、インクやトナーの乾燥に悪影響を与え、擦れやすくなります。特に、湿度が低すぎるとインクが乾燥しにくくなり、湿度が高すぎるとインクが定着しない場合があります。
- 対策:印刷環境の温度と湿度を適切に管理することが重要です。通常、印刷環境では温度が20〜25度、湿度が50〜60%に保たれることが理想的です。
インクやトナーの品質
- インクやトナーの品質が低い:使用するインクやトナーの品質が悪いと、適切に紙に定着せず、簡単に擦れることがあります。特に、非純正品や安価なトナー・インクは定着が悪い場合が多いです。
- 対策:信頼できるメーカーの高品質なインクやトナーを使用することが推奨されます。また、プリンターや印刷機に適合する純正のインクやトナーを使用することも重要です。
インクの適切な粘度の管理
- インクの粘度が高すぎるまたは低すぎる:インクの粘度が高すぎると乾燥が遅くなり、用紙に適切に吸収されないため、擦れやすくなります。逆に、粘度が低すぎると、用紙にしっかりと定着せず、簡単に剥がれてしまうことがあります。
- 対策:インクの粘度を適切に管理することが重要です。インクメーカーの推奨する粘度に従い、必要に応じて溶剤を加えるなどして調整します。
まとめ

印刷物が擦れる問題は、インクやトナーの乾燥不足、用紙の種類や品質、印刷機の設定やメンテナンス不足、さらには印刷環境やインクの粘度の管理不足など、多くの要因が関与しています。
これらの原因を一つずつ確認し、適切な対策を講じることで、印刷物の品質を向上させ、擦れによるトラブルを防ぐことができます。
以上、印刷が擦れる原因についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

