活版印刷(かっぱんいんさつ)とは、一つひとつの文字が彫られた活字(かつじ)を組み合わせて版を作り、インクをつけて紙に圧力をかけて印刷する技術のことです。
西洋では15世紀にグーテンベルクによって発明され、日本では江戸時代から明治時代にかけて広く使われました。
以下では、その仕組み、歴史、特徴、現代での活用について詳しく説明します。
目次
活版印刷の仕組み
活版印刷は、「凸版印刷」の一種です。
以下のような手順で行われます。
活字を選ぶ
- 一つひとつの金属製や木製の文字ブロック(活字)を必要な順に並べて文章を組みます。
- 欧文はアルファベットの活字を、日本語では漢字・仮名がセットになった膨大な数の活字が必要です。
組版(くみはん)
- 活字を専用の枠に詰めて文章の版を作ります。これを組版と呼びます。
- 紙の余白、行間、段組みなども手作業で微調整します。
インキを塗布
- ローラーで活字の凸部分(文字が出っ張っている部分)にインクをのせます。
圧力をかけて印刷
- インクのついた活字に紙を当て、プレス機で圧力をかけて印刷します。
- こうして一枚一枚、職人の手で刷られます。
活版印刷の歴史
西洋
- 1445年頃:ドイツのヨハネス・グーテンベルクが金属活字を使った活版印刷を発明。
- 『グーテンベルク聖書』は世界最初の大量印刷本とされ、知識の普及を飛躍的に進めました。
日本
- 1590年頃:天正遣欧使節が持ち帰った技術をもとに、「天草版」などの西洋式活版印刷が開始。
- 明治時代:本格的に金属活字による活版印刷が普及し、新聞や書籍の大量印刷を支えました。
活版印刷の特徴と魅力
文字が紙に“のる”感触
- 活字の凹凸が紙に圧されることで、少しへこんだ質感が生まれます。
- 特に厚手のコットン紙などでは、この凹凸が味わい深く、美術的価値があります。
職人技の美しさ
- 活版はすべて手作業。文字組みやインクの濃淡、紙の選定などに熟練の職人の感性が表れます。
長持ちする印刷
- 活版はインクが紙の上にしっかり定着するため、色あせしにくく、保存性が高いのも特徴です。
現代の活版印刷
現在では、大量印刷の主流はオフセット印刷やデジタル印刷ですが、活版印刷は以下のような分野で再評価されています。
デザイン・アート分野
- 結婚式の招待状、名刺、ポストカード、アートブックなど。
- 「レタープレス」という名前で海外でも人気。
クラフト系の商品開発
- 活版の風合いを活かした紙製品が、雑貨店や文房具ブランドから多く出ています。
教育・体験工房
- 活版印刷を実際に体験できる施設やワークショップもあり、印刷文化の継承とクラフト教育に役立っています。
活版印刷と他の印刷方法との違い
| 印刷方式 | 特徴 | 向いているもの |
|---|---|---|
| 活版印刷 | 凸版。文字がへこむ。手作業多し。 | アート、名刺、少部数 |
| オフセット印刷 | 平版。大量印刷向き。安価。 | 新聞、書籍、商業印刷 |
| デジタル印刷 | 版を使わず、PCから直接印刷 | 少部数、短納期 |
まとめ

活版印刷は、情報を美しく・正確に伝えるために発明された画期的な技術でありながら、今日ではその手作業のぬくもりや美しさが再び注目を集めています。
印刷の原点を知ることで、現代のデジタル印刷との違いもより深く理解できるでしょう。
以上、活版印刷とはについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

