ビジネスシーンにおいて使用される「はがき」は、単なる連絡手段ではなく、相手との関係性や自社の姿勢を伝える重要なツールです。
メールやチャットが主流となった現在でも、はがきは「丁寧さ」「誠意」「信頼感」を直接的に伝えられる手段として、多くの企業や個人事業主に活用されています。
本記事では、基本マナーから実務での使い分け、具体的な文例まで、ビジネスで失礼にならないはがきの書き方を詳しく解説します。
ビジネスではがきが使われる主な場面
ビジネス用はがきは、主に以下のような目的で使用されます。
- 商談や訪問後のお礼状
- 異動・昇進・就任・退職の挨拶
- 展示会・イベント・キャンペーンの案内
- 季節の挨拶・近況報告
- 急ぎではないが、丁寧さを重視したい連絡
これらのはがきは、公式文書または公式文書に準じた扱いを受けることが多く、一定の形式や言葉遣いが求められます。
表面(宛名面)の正しい書き方
宛名書きの基本ルール
- 改まった内容では縦書きが基本
- 案内状・DMでは横書きも一般的
- 略称や省略は避け、正式名称を使用する
住所の書き方(縦書き例)
〒100-0000
東京都千代田区〇〇町一丁目二番三号
〇〇ビル五階
宛名の書き分け
会社・部署宛
〇〇株式会社
営業部 御中
個人宛
〇〇株式会社
営業部
〇〇 様
※「御中」と「様」は併用しません。
これはビジネスはがきで最も多い誤りの一つです。
裏面(本文)の基本構成
ビジネスはがきの本文は、以下の流れで構成します。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 主文(用件)
- 結びの挨拶
- 結語・日付・署名
この構成を守ることで、内容が簡潔でも礼儀正しい印象になります。
各要素の書き方
頭語と結語
| 頭語 | 結語 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 拝啓 | 敬具 | 一般的な取引先 |
| 謹啓 | 謹白 | 目上・特に改まった相手 |
※案内状や簡易的な連絡では、省略されることもあります。
時候の挨拶
季節を表す挨拶文を入れることで、文章に温かみと品格が生まれます。
例
陽春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 会社宛:「ご清栄」
- 個人宛:「ご健勝」「ご清祥」
相手に応じて使い分けます。
主文(要件)
はがきでは長文を避け、1~3文程度にまとめるのが理想です。
例(お礼状)
先日はご多忙のところ、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
お打ち合わせの内容につきましては、社内にて前向きに検討してまいります。
結びの挨拶
相手の今後を気遣う一文を添えます。
例
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
日付・署名
- 日付は和暦・西暦いずれも可(社風に合わせる)
- 会社名・部署名・氏名は省略しない
令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社
営業部
〇〇 〇〇
そのまま使える文例
商談後のお礼はがき
拝啓
秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はご多用のところ、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
頂いたご提案につきましては、社内にて慎重に検討させていただきます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
異動の挨拶はがき
拝啓
陽春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、私こと
このたび〇月〇日付にて〇〇部へ異動いたしました。
今後とも変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
ビジネスはがきで注意すべきポイント
- 修正液・二重線は使用しない
- 略語・口語表現は避ける
- 「取り急ぎ」「とりあえず」は使用しない
- 儀礼的な文面では句読点を控えることが多い
(ただし可読性を優先して使用するケースも増えている)
手書きと印刷の使い分け
- 手書き:お礼状・少数送付・関係構築重視
- 印刷:案内状・DM・大量送付
手書きの場合は、字の上手さよりも丁寧に書かれているかどうかが重視されます。
はがきとメールの使い分け
| 項目 | はがき | メール |
|---|---|---|
| 丁寧さ | 高い | 中程度 |
| 印象 | 残りやすい | 流れやすい |
| 即時性 | 低い | 高い |
| 信頼構築 | 向いている | 補助的 |
重要な節目や感謝を伝える場面では、はがきが今なお有効な手段です。
まとめ
ビジネスにおけるはがきは、短い文章で相手への敬意と誠意を伝える高度なコミュニケーション手段です。
形式を守りつつ、「自分の言葉を一文添える」ことで、定型文でも印象は大きく変わります。
以上、ビジネスでのはがきの書き方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

