印刷における「ブランケット」は、主にオフセット印刷(特に平版印刷)で使用される重要な部品の一つです。
ブランケットは、ゴムなどの柔軟性のある材料で作られたシートで、印刷機の中で役割を果たします。
特にオフセット印刷の工程において、印刷版からブランケットにインクが一旦転写され、次にブランケットから紙や印刷対象物にそのインクが転写されるという間接的な印刷方式が採用されています。
ブランケットの役割と特徴
インクの転写媒介
- オフセット印刷では、印刷版が直接紙に接触するのではなく、まず印刷版からインクがブランケットに転写されます。このプロセスを「オフセット」と呼びます。次に、ブランケットが紙にインクを転写することで印刷が行われます。
- この間接的な印刷方式によって、印刷版自体の摩耗を減らし、より長寿命かつ高品質の印刷が可能となります。
紙への圧力の均一化
- ブランケットはゴム製で柔軟性があるため、紙などの印刷物がわずかに不均一な場合でも、圧力を均等にかけることができます。これにより、インクがムラなく、均一に紙の表面に定着するため、高品質な印刷が実現されます。
さまざまな素材に対応
- ブランケットはゴム製であるため、紙以外にもプラスチック、布、金属など、さまざまな素材に対しても柔軟に対応できることが特徴です。これにより、オフセット印刷の汎用性が高まり、多くの印刷対象物に使用することが可能です。
表面の耐久性と柔軟性のバランス
- ブランケットの表面は、耐久性が求められます。インクを何度も転写するため、摩耗しやすいですが、ゴムや特殊素材を使用することで耐久性が高められています。同時に、柔軟性も必要であり、適度に柔らかい表面を保つことで、紙や他の素材にうまくインクを転写できます。
オフセット印刷におけるブランケットの仕組み
オフセット印刷のプロセスでは、次のような3つの主要なシリンダーが関与します。
版シリンダー
- 印刷版が取り付けられたシリンダーで、ここでインクが特定の部分にのみ付着します。版シリンダーからインクがブランケットに転写されます。
ブランケットシリンダー
- ゴム製のブランケットが取り付けられたシリンダーで、ここでインクが受け取られ、次に紙に転写されます。
圧胴(インプレッションシリンダー)
- 紙を支えるシリンダーで、紙をブランケットシリンダーに押し付けることで、ブランケットからインクが紙に転写されます。
この仕組みでは、インクが直接紙に付着するのではなく、ブランケットを介して間接的に転写されるため、オフセット印刷と呼ばれています。
このプロセスにより、非常に高精細な印刷が可能になります。
ブランケットの種類
ブランケットには、使用される材料や用途に応じていくつかの種類があります。
標準的なゴムブランケット
- 多くのオフセット印刷機で使用されている最も一般的なタイプ。柔軟性があり、さまざまな紙に適した耐久性を持っています。
UV印刷用ブランケット
- UV印刷では特殊なインクを使用し、インクがUV(紫外線)を照射して固まります。このため、UV印刷に適したブランケットは、通常のゴムブランケットとは異なる耐紫外線性や耐化学薬品性が求められます。
圧縮型ブランケット
- 紙に対する圧力をさらに均一にするために、ブランケットの層構造により衝撃を吸収するタイプのブランケット。特に高精細な印刷が求められる場合に使用されます。
ブランケットのメンテナンスと寿命
ブランケットは、使用中にインクや紙のくずが付着し、時間が経つと品質が劣化することがあります。
定期的なメンテナンスやクリーニングが重要で、以下の手順が一般的です。
クリーニング
- 専用のクリーナーでインクや汚れを除去し、表面を清潔に保つ。インクのかすや紙のくずがブランケットに残ると、印刷品質に悪影響を与えるため、適切にクリーニングする必要があります。
ブランケットの張り調整
- ブランケットは使用中に徐々に伸びたり、弛んだりすることがあるため、適切な張り具合に調整することが重要です。これが不十分だと、インクの転写にムラが出たり、印刷の精度が低下することがあります。
定期的な交換
- ブランケットの寿命は使い方や印刷環境によりますが、摩耗や劣化が進むとインクの転写が不均一になるため、一定の期間ごとに交換することが必要です。
まとめ

印刷のブランケットは、オフセット印刷で特に重要な部品で、インクを印刷版から紙などの素材に転写する役割を担っています。
その柔軟性と耐久性により、紙やさまざまな素材への均一な印刷が可能です。
ブランケットの適切なメンテナンスや使用によって、高品質な印刷結果が得られるため、印刷工程において非常に重要な要素となっています。
以上、印刷のブランケットとはについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

