印刷における総インキ量(Total Ink Coverage, TIC)について詳しく説明します。
総インキ量とは何か?
総インキ量とは、印刷時に一つのエリアに使用されるインキの合計のことです。
特にCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を使うプロセスカラー印刷において、各インキが重ねられるときの合計量を指します。
例えば、あるエリアにシアンが40%、マゼンタが50%、イエローが60%、ブラックが20%のインキが使われた場合、そのエリアの総インキ量は40% + 50% + 60% + 20% = 170%になります。
総インキ量の重要性
印刷における総インキ量の管理は非常に重要です。
総インキ量が高すぎると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 乾燥不良:インキが紙にうまく乾かない場合、乾燥時間が長くなり、印刷物が他の用紙に貼り付いたり、汚れたりするリスクが高まります。
- 用紙の変形:インキ量が過剰だと、用紙が湿気を吸収して変形する可能性があります。これにより、印刷物の品質が低下します。
- 色のにじみやムラ:インキが多すぎると、色がにじんでしまい、鮮明な印刷ができなくなる場合があります。
- 印刷機の負荷:インキが多いと、印刷機自体にも負担がかかり、機械の不具合やメンテナンスの頻度が増える可能性があります。
推奨される総インキ量
推奨される総インキ量は、使用する用紙や印刷プロセスによって異なりますが、一般的には240%から320%の間が標準とされています。
具体的には、以下の要因を考慮して設定されます。
- 用紙の種類:コート紙やグロス紙などの光沢のある紙は、比較的高い総インキ量に耐えられますが、未コート紙やリサイクル紙などの吸収性の高い紙では、総インキ量を低く抑える必要があります。
- 印刷方式:オフセット印刷やデジタル印刷など、使用する印刷技術によっても適切な総インキ量は異なります。
- フィニッシング工程:ラミネート加工やUVコーティングなどの仕上げ工程がある場合、その工程に適した総インキ量の管理が必要です。
総インキ量の調整方法
総インキ量を適切に管理するためには、デザイン段階での調整が重要です。
Adobe PhotoshopやIllustratorなどのソフトウェアには、総インキ量をモニタリングする機能があり、特定のエリアのインキ量を確認したり、調整したりすることが可能です。
例えば、「Total Ink Limit」機能を使って、デザインが設定された限界を超えないように制御できます。
また、プリフライト(印刷前のチェック)工程で、総インキ量が適切であるかを確認することも一般的です。
この段階で、過剰なインキ量が検出された場合、調整を行うことができます。
まとめ

総インキ量の管理は、印刷物の品質を確保するために不可欠なプロセスです。
適切な総インキ量を設定し、乾燥時間、色のにじみ、用紙の変形などの問題を防ぐことで、最終的な印刷結果がより良好になります。
デザイン段階から印刷プロセス全体にわたって総インキ量を意識することで、高品質な印刷物を実現することが可能です。
以上、印刷の総インキ量についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

