活版印刷で刷られた本はいつまで流行っていたのか

活版印刷,イメージ

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活版印刷(かっぱんいんさつ)は、金属活字を使って文字を組み、紙に印刷する方式で、15世紀にヨハネス・グーテンベルクが実用化した技術です。

この技術は長らく世界中で印刷の主流として使われてきましたが、徐々に他の印刷技術に取って代わられることになります。

以下に、活版印刷が「いつまで流行っていたのか」を、時代ごとの変遷と地域差を含めて詳しく解説します。

目次

活版印刷の黄金期(15世紀後半~19世紀)

ヨーロッパにおける普及

  • 1455年頃:グーテンベルクが『42行聖書』を印刷。これが西洋での活版印刷の始まり。
  • 1500年代~1800年代:印刷技術として急速に普及。宗教改革、科学革命、啓蒙時代の情報伝達に重要な役割を果たす。
  • 書籍、新聞、パンフレット、聖書など多岐にわたる出版物が活版で印刷された。

技術的な改良

  • 手動式から蒸気機関による機械式活版印刷機が19世紀初頭に登場。
  • より大量の印刷が可能になり、新聞の発行や商業印刷が盛んに。

活版印刷の衰退(20世紀)

大きな転換点:写真植字(写植)とオフセット印刷

  • 1900年代前半~中盤
    • 写真植字(Phototypesetting)が登場。活字を1文字ずつ組む必要がなく、レイアウトの自由度が向上。
    • オフセット印刷が主流に。金属板にインクを転写し、ゴムブランケット経由で紙に印刷。大量印刷やカラー印刷に優れる。
  • 1950年代~1980年代
    • 商業印刷や出版の現場から、徐々に活版印刷が姿を消していく。
    • 活字鋳造所の閉鎖も相次ぎ、活版印刷業界は縮小。
    • 日本を含む多くの国では、この時期が「活版印刷の終焉期」とされる。

日本における活版印刷の歴史

明治時代に西洋式活版印刷が導入

  • 1870年代:本木昌造らにより西洋活版印刷技術が本格的に導入。
  • 活字鋳造所が開設され、日本語用の活字体系が整備される。
  • 明治から昭和初期にかけて新聞、教科書、小説、官報などが活版印刷で大量に印刷された。

衰退と終焉

  • 1960年代~1980年代
    • 写植やDTP(デスクトップ・パブリッシング)の台頭により、活版印刷は急速に姿を消す。
    • 多くの印刷会社がオフセット印刷やコンピュータ組版に移行。
  • 1980年代後半には、出版の世界ではほぼ完全に活版印刷が姿を消す。

活版印刷は「完全に消えた」のか?

現代における活版印刷の存在

  • 完全には消滅しておらず、アート印刷やクラフト印刷の分野で復興している。
  • 特に欧米や日本では、以下のような用途で活版印刷が見直されている。
    • ウェディング招待状や名刺、ポスターなどの高級印刷
    • レタープレスの趣味的活動、工房や個人スタジオでの制作
    • 活版印刷の文化財保存やワークショップの開催

例:日本国内の動き

  • 2010年代以降、活版印刷の魅力を再発見する動きがあり、小規模な工房やデザイナーによって活版印刷が再注目されている(たとえば東京の「弘陽」や京都の「修美社」など)。
  • 活版印刷機を使った体験教室、イベントも増加。

まとめ

まとめ,イメージ
時期状態説明
15世紀後半~19世紀末最盛期印刷の主力技術として書籍・新聞・宗教書などに活躍
20世紀前半徐々に衰退写植とオフセットの登場により、地位が揺らぎ始める
1950年代~1980年代実質的終焉期多くの国で商業印刷から活版が姿を消す
21世紀クラフトとしての復興芸術・趣味・文化的価値として再評価される

補足:活版印刷が評価される理由(現代の観点)

  • インクの凹凸や紙の手触りが感じられる「物理的な味わい」
  • デジタル印刷では出せない「深み」と「存在感」
  • 活字と紙、職人技術が生み出す「一点もの」の美しさ

以上、活版印刷で刷られた本はいつまで流行っていたのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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