箔押し加工(ホットスタンプ加工、金箔・銀箔・ホイルスタンプなどとも呼ばれます)が剥がれる原因は、素材の状態・加工条件・使用環境など、複数の要因が絡み合って発生します。
以下に代表的な原因をカテゴリごとに詳しく説明します。
目次
素材・下地に関する原因
表面の平滑性や清浄度の問題
- 表面にホコリ、油分、指紋、水分などが残っていると、箔が定着しにくくなります。
- 特に紙やプラスチック製品では、コーティング剤や静電気による粉塵の吸着が原因となることも。
印刷面の適性不足
- 箔押しを施すインク面が完全に乾燥していない場合、箔とインクが化学的に干渉して定着が不安定になることがあります。
- UVニスやラミネート加工された面など、滑りやすく密着しにくい面では、箔の密着性が低下します。
素材との相性不良
- 一部の合成樹脂やコート紙は、熱圧着に向かない表面特性(高滑性・低吸収性)を持っており、剥がれやすいです。
- 再生紙や特殊紙では、繊維密度や塗工の状態により箔がうまく食いつかないことがあります。
加工工程に関する原因
温度設定の不適切さ
- 箔押しの温度が低すぎると、接着剤が十分に溶けずに箔が定着しません。
- 逆に高すぎると、箔の接着層が分解してしまい、結果的に剥がれやすくなります。
圧力不足または過剰
- 圧力不足:箔が均等に押し付けられず、部分的に定着しません。
- 過剰な圧力:下地を傷めてしまい、時間が経ってから剥がれが生じることがあります。
加圧時間が短い
- 接着層が完全に素材と結合する前に加圧を終えてしまうと、剥がれの原因になります。
金型や版の不良
- 金型が摩耗している、汚れている、彫りが浅いなどの場合、箔の密着が甘くなり、剥がれのリスクが高まります。
使用する箔自体の問題
箔の種類と用途が一致していない
- 箔には用途別に「紙用」「プラスチック用」「UVインク用」など種類があり、素材との相性が重要です。
- 低温用・高温用の区別もあり、間違ったタイプを使うと密着不良を起こします。
古くなった箔の使用
- 保管環境が悪い(高温多湿・直射日光)と、箔の接着剤が劣化し、剥がれやすくなります。
保管・使用環境の影響
湿度・温度変化による膨張・収縮
- 特に紙素材では、湿度により膨張・収縮が発生し、箔との密着が崩れて剥がれの原因になります。
摩擦や衝撃
- 箔面に強い摩擦やこすれが加わると、物理的に箔がはがれてしまうことがあります。
- 折り曲げ部分は特に剥がれやすい箇所です。
経年劣化
- 屋外使用や長期保管で、紫外線・酸化・空気中の湿気などが原因で接着力が低下し、徐々に剥がれてくる場合もあります。
実際の対処方法・予防策
| 原因 | 対処・予防策 |
|---|---|
| 表面汚れ | 加工前にアルコールなどで清掃 |
| 素材不適合 | 箔押しに適した素材やコーティング処理を選定 |
| 圧力・温度設定ミス | 試し押しを行い、最適な温度・圧力・時間を調整 |
| 箔の選定ミス | 用途に応じた箔(紙用、PP用、UV用)を使用 |
| 摩耗・擦れによる剥がれ | PP加工やOPニスで表面を保護、取り扱い時に注意喚起 |
| 湿度変化 | 素材・製品を保管する環境の温湿度管理を徹底 |
まとめ

箔押し加工の剥がれは、素材・加工条件・箔の特性・使用環境のいずれか、あるいは複数の要因が複雑に絡み合って発生します。
問題を未然に防ぐためには、事前の素材チェックと試験、工程ごとの最適化、使用箔の適切な選定、保管環境の管理が不可欠です。
以上、箔押し加工が剥がれる原因についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

