私儀は、ビジネス文書や儀礼的な挨拶状(特に喪中・結婚・転居・退職などの通知文)で使われる、自分の私事について述べる際の丁寧で謙虚な表現です。
日本語特有の敬語表現の一つで、文語的・儀礼的な印象が強い言葉です。
目次
「私儀」の基本的な意味と使い方
意味
「私儀」は、文字通り「私事について申し上げます」という意味で、自分に関することをへりくだって述べるときに使います。
使う場面の例
- 結婚のご報告(例:私儀、このたび結婚いたしました)
- 転勤・退職・転職の挨拶
- 喪中はがき
- 出産報告
- 転居通知
使い方の位置
「私儀」は、挨拶文の本文に入る直前の言い回しで、主に縦書きの手紙やハガキで使われます。
「私儀」の使い方:構成と具体例
以下に、「私儀」を使った挨拶状の典型的な構成と例文を示します。
構成例
- 頭語(拝啓、謹啓など)
- 時候の挨拶
- 「私儀」の表現
- 本文(知らせたい内容)
- 結びの言葉(今後のお願い、変わらぬご交誼など)
- 結語(敬具、敬白など)
結婚報告の例
謹啓 晩秋の候 皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
私儀
去る〇月〇日 〇〇〇〇様と結婚いたしましたことをご報告申し上げます
今後は二人で力を合わせて温かい家庭を築いてまいります
何卒変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
敬白
転勤の例
拝啓 春暖の候 皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます
私儀
このたび〇〇支社へ転勤することとなり 〇月〇日をもちまして現職を離れることとなりました
在任中は格別のご厚情を賜り 心より感謝申し上げます
今後とも変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
敬具
喪中はがきの例
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
私儀
父〇〇が〇月〇日に〇歳にて永眠いたしました
本年中に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます
「私儀」に関する注意点
- 謙譲語であることを忘れずに:
自分のことを丁寧に述べる際だけに使用。他人のこと(親族でも)には使いません。 - 日常の手紙やカジュアルなメールでは使わない:
硬い表現なので、親しい友人との私信やメールには向いていません。 - 「私儀」のあとは改行して本文を始める:
特に縦書きの場合、「私儀」のあとに1文字分空けて改行するスタイルが丁寧です。
類似表現と使い分け
| 表現 | 意味・使い方 | 用いる場面 |
|---|---|---|
| 私儀 | 私事を謙遜して述べる丁寧な文語 | 挨拶状、通知状、礼状 |
| 小職 | ビジネス文書で使う自称(自分) | 社外文書、役職付きの退職通知など |
| 拙者 | 謙譲語だが古風・砕けた印象 | 時代劇風、非ビジネス向き |
| 私事ながら | 口語寄りでやや柔らかい言い方 | 社内メールやライトな案内文 |
まとめ

「私儀」は、古風で格式ある表現でありながら、今もなお儀礼的な挨拶状では頻繁に使われています。
文面に格式と丁寧さを添えるためには非常に効果的な語句で、特に公私の節目となる連絡文には適しています。
挨拶状を作成する際は、相手との関係性や文面全体の雰囲気に応じて、「私儀」を使うかどうかを検討すると良いでしょう。
以上、挨拶状の私儀についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

