ネットプリントで「データと印刷物の色が違う」という問題は、多くの人が経験するものです。
この現象は、デジタルデータ上で見えている色と、実際に印刷された色とが一致しないことから生じます。
その理由は、いくつかの技術的要因が複雑に絡み合っています。以下に、できるだけ詳しく、わかりやすく解説します。
目次
カラーモードの違い(RGBとCMYK)
RGB(Red, Green, Blue)
- パソコンやスマホのモニターで使われる色の表現方法。
- 光の三原色を使い、「加法混色」で色を再現します(色を重ねるほど明るくなる)。
- 表現できる色の範囲(色域)が広く、鮮やかで明るい色が可能。
CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, blacK)
- 印刷で使われる色の表現方法。
- インクの三原色+黒で、「減法混色」で色を再現します(色を重ねるほど暗くなる)。
- 表現できる色域はRGBより狭く、特に鮮やかな蛍光色などは再現が難しい。
モニターで見た時は鮮やかだった色も、印刷するとくすんで見えることがあるのはこのためです。
モニターの色設定とキャリブレーションの影響
- 使っているディスプレイの色温度、明るさ、コントラスト設定は、個人ごとに異なります。
- また、モニターは時間の経過とともに色が変化するため、正確な色を表示していないことも多いです。
- 専用のキャリブレーションツール(測色器)を使っていない限り、色再現はかなりアバウトになります。
つまり、「画面で見た色」は必ずしも正確ではないということです。
プリンターの機種・設定・用紙の違い
ネットプリントの印刷機
- 各コンビニ(セブンイレブン、ローソン、ファミマなど)では、機種や設定が異なります。
- 一般的にレーザープリンターが使用されており、写真向けの微細な色表現が苦手な傾向があります。
印刷モード・設定の影響
- 「写真モード」「文書モード」など、プリンター側に色再現を変える設定があります。
- 自動補正がかかる場合もあり、色合いやコントラストが意図と異なる結果になることも。
用紙の種類
- 普通紙、光沢紙、マット紙など、用紙の質感や吸水性によって色味が大きく変わる。
- 特に普通紙ではインクが沈み込み、色が沈んで見える傾向があります。
PDF/JPEGなどデータ形式による色の違い
- RGBで作った画像をJPEGで保存すると、印刷時にCMYKへの変換がプリンタ側で自動的に行われます。
- この自動変換の過程で色が大きくずれることがあります。
- PDFファイルならカラープロファイル(ICCプロファイル)を埋め込めるため、色の再現性がやや安定しますが、それでも完全一致は難しいです。
カラープロファイル(ICCプロファイル)未対応の問題
- 印刷時に色を正しく管理するには「カラープロファイル」が重要です。
- しかし、コンビニのネットプリントサービスではICCプロファイルをサポートしていないことが多く、データに含まれる色の指示が無視されます。
- その結果、画面上で正確に調整した色でも、印刷時には「プリンター任せの解釈」になってしまい、意図とずれます。
色の変化が起こりやすい色・パターン
特に注意したい色
- 蛍光色(ピンク、ネオングリーンなど):CMYKで再現できない。
- 鮮やかな青や紫系:CMYKではくすんだグレーがかってしまう。
- グラデーション:中間色が滑らかに出ず、バンディングが出ることがある。
色のズレを減らすための対策
| 対策方法 | 詳細 |
|---|---|
| RGBではなくCMYKでデータを作成 | PhotoshopやIllustratorで最初からCMYKモードで制作 |
| PDF形式で保存 | できればカラープロファイルを埋め込んで保存 |
| 背景に塗り足しを設ける | カットずれ防止だけでなく、色ズレ回避にも効果 |
| プリント前にテスト出力する | 自宅や印刷所で確認してから本番用を出す |
| ネットプリント業者を使い分ける | 色にこだわる場合はコンビニよりも写真印刷専門の業者を選ぶ |
まとめ

ネットプリントで色がズレるのは、「RGBとCMYKの違い」「プリンターや用紙の特性」「カラープロファイル未対応」「画面の表示と実際のインクの性質の違い」など、複数の技術的・物理的な要因があるためです。
特にネットプリント(コンビニ印刷)は色の正確性よりも利便性重視の設計になっており、完全に意図通りの色を出すのは難しいのが現実です。
色をできるだけ忠実に再現したい場合は、コンビニではなく専門のプリントサービス(写真屋、DTP業者、オンデマンド印刷業者)を利用することをおすすめします。
以上、ネットプリントでデータと印刷物の色が違う理由についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

