ロゴ制作は単に「デザインする」という作業だけではなく、ブランドの価値や個性を視覚的に表現する、とても戦略的なプロセスです。
きちんとした手順を踏むことで、単なる「かっこいい見た目」ではなく、企業や商品を長く支える力のあるロゴが生まれます。
以下にプロの現場でも広く使われているロゴ制作の一般的な手順を、かなり詳しく解説します
目次
ヒアリング・ブリーフ作成
目的
ロゴはブランドの顔になるもの。
まずはどんなブランドなのかを深く理解します。
主な作業内容
- クライアントとのヒアリング
- 会社概要、事業内容
- 商品やサービスの特徴
- ブランドの歴史や理念
- ターゲット層(性別、年齢、地域など)
- ブランドの価値観やパーソナリティ(例:親しみやすさ、高級感、信頼感)
- 競合他社や業界の分析
- 将来の展望・ビジョン
- ロゴに込めたいイメージ、避けたいイメージ
- ブリーフ(制作指針)の作成
- 収集した情報を元にデザイン方針を文書化します。
- クライアントと共有し、合意をとっておきます。(後々の「イメージ違い」を防ぐためにも重要)
調査・リサーチ(インスピレーションフェーズ)
目的
競合との差別化、業界トレンドの理解、良いインスピレーションを得る。
主な作業内容
- 同業他社や国内外の競合ロゴの調査
- 成功しているロゴの研究(なぜ成功しているのか分析)
- 関連するビジュアルモチーフの収集(Moodboardの作成)
- ブランドの文化や背景に関わるビジュアルのリサーチ
- タイポグラフィや配色のトレンド調査
コンセプト立案(アイデアフェーズ)
目的
ブランドの核心を視覚的にどう表現するか、コンセプトを考える。
主な作業内容
- ブランドの価値を視覚化するキーワードを出す(例:「信頼」「革新」「柔らかさ」など)
- それらのキーワードに基づき、ロゴの方向性(コンセプト)をいくつか策定
- デザインの方向性例:
- シンボル型(Appleなど)
- タイポグラフィ型(Coca-Colaなど)
- コンビネーション型(Adidasなど)
- エンブレム型(Harley-Davidsonなど)
- コンセプトごとのビジュアルイメージ案を簡単にスケッチ(手描きでもOK)
デザイン制作(実制作フェーズ)
目的
実際に形にしていく工程。
最もクリエイティブな段階。
主な作業内容
- ラフスケッチの作成
- 紙やデジタルツールでアイデアを多数出す
- 構図やシンボルの組み方を様々に試す
- デジタル化
- Adobe Illustrator などのベクターツールでラフ案を整える
- スケーラブルな形(どのサイズでも崩れない)に作成する
- タイポグラフィを選定・調整(必要ならフォントをカスタム)
- 色彩設計(ブランドカラーとの整合性を意識)
- 複数案を作成
- 通常は3〜5案程度作成し、クライアントに提案する
- 単色版、リバース版(白地に黒など)、縮小版での見え方も確認
プレゼン・フィードバック(提案フェーズ)
目的
クライアントにロゴ案を提案し、意図を正しく伝え、フィードバックを得る。
主な作業内容
- ロゴ案のプレゼン資料を用意
- コンセプト
- デザイン意図
- 他案との差別化ポイント
- 具体的な活用イメージ(名刺、Webサイト、グッズ等のモックアップで見せる)
- クライアントからフィードバックを受ける
- 必要であれば改訂案を作成
- 修正は通常2〜3ラウンド程度までが一般的
納品・展開
目的
完成したロゴを正しく活用してもらうための納品とガイドライン作成。
主な作業内容
- 最終ロゴデータの納品
- ベクターデータ(AI、EPS、PDF)
- ラスター画像(PNG、JPG)※背景透過版も
- アイコン用小サイズ版なども用意
- ブランドガイドライン(ロゴガイドライン)の作成
- ロゴの使用ルール(サイズ、余白、NG例など)
- 配色規定(CMYK、RGB、HEXなど)
- フォント規定
- 適用事例(Web、印刷物、SNSなど)
- クライアントに運用方法の説明もしておくと親切
フォローアップ(運用サポート)
目的
ブランドが実際の現場でロゴをうまく使えるようサポートする。
主な作業内容
- 運用中の質問対応
- 必要に応じた追加素材の作成
- SNS用アイコン
- アプリ用アイコン
- ファビコン用
- 将来的なブランド展開に向けたアドバイス
まとめ

| フェーズ | 主な目的 | 成果物例 |
|---|---|---|
| ① ヒアリング | ブランド理解 | ブリーフ |
| ② 調査 | インスピレーション | Moodboard |
| ③ コンセプト立案 | デザイン方針決定 | コンセプト案 |
| ④ デザイン制作 | ロゴの形にする | ロゴ案 |
| ⑤ プレゼン | 意図の共有・選定 | 提案資料 |
| ⑥ 納品 | 正しい活用支援 | データ・ガイドライン |
| ⑦ フォローアップ | 運用サポート | 追加素材 |
以上、ロゴ制作の手順についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

