ポスターのフォントサイズは、視認性(読みやすさ)と視認距離(どの距離から読まれるか)に強く依存します。
つまり、「どのくらい離れたところから誰に何を伝えたいのか」によって最適なサイズが決まります。
以下に、ポスター制作におけるフォントサイズの考え方を、実用的かつ体系的に解説します。
目次
基本の考え方
閲覧距離を基準にする
ポスターは「遠くから見るもの」です。
近くで読む書籍やパンフレットと違い、離れていても文字が読めるサイズにする必要があります。
| 閲覧距離 | 推奨フォントサイズ(目安) |
|---|---|
| 1m | 約24pt以上 |
| 2m | 約48pt以上 |
| 3m | 約72pt以上 |
| 5m | 約120pt以上 |
※1pt = 約0.35mm(DTPのポイント単位)
要素別フォントサイズのガイドライン
ポスターには、主に以下のようなテキスト要素があります。
それぞれの役割に応じてサイズを設定しましょう。
| 要素 | 役割 | 推奨フォントサイズ(A2ポスター想定) |
|---|---|---|
| タイトル(見出し) | 一番伝えたいこと。人目を引く | 72〜150pt以上 |
| サブタイトル | タイトルの補足 | 36〜72pt |
| リード文 | 内容の導入、呼びかけなど | 24〜36pt |
| 本文 | 詳しい説明や情報 | 18〜24pt |
| キャプション・脚注 | 補足的情報、小さくてOK | 12〜16pt |
※A3・B3以下の小さいサイズなら、全体的に1段階縮めると良いでしょう。
視認性を高めるためのポイント
フォントの種類(書体)
- ゴシック体(サンセリフ体):視認性が高く、遠くからでも読みやすい。例:ヒラギノ角ゴ、Arial、Noto Sans
- 明朝体(セリフ体):可読性は高いが、細いのでポスターにはあまり向かないことも。情報が多い部分の本文に適する。
太さ(ウェイト)
- タイトルは太め(Bold)がおすすめ。遠くからの視認性が上がる。
- 本文は通常(Regular)で良いが、細すぎる書体は避ける。
行間(行送り)
- フォントサイズの1.2~1.5倍が基本。
- 例:24ptの文字 → 行間は28〜36ptが目安。
- 行間が狭すぎると読みにくく、広すぎると一体感がなくなる。
文字色と背景色のコントラスト
- 黒背景に白文字、白背景に黒文字など、高コントラスト配色を選ぶ。
- 淡い色同士の組み合わせは避ける。
フォントサイズの決め方 実践例
ケース1:イベント告知ポスター(B2サイズ)
- タイトル:120pt(目立つように)
- サブタイトル:60pt
- リード文:30pt
- 本文:24pt
- 開催日時・場所:28pt(目立たせたい情報)
ケース2:展示会用説明パネル(A1サイズ)
- タイトル:90pt
- 本文見出し:36pt
- 本文:24pt
- 図表の注釈:16pt
デザインツール別の注意点
| ツール | 備考 |
|---|---|
| Illustrator / InDesign | DTP基準で正確なポイント数で設定可能。印刷にも強い。 |
| Photoshop | 解像度300dpi以上でないと印刷時にぼやけやすい。テキストも画像化されやすい。 |
| Canva / PowerPoint | 画面上の「見た目の大きさ」が印刷と異なることがあるため、PDF出力後に実寸でチェックを。 |
チェックリスト
- タイトルは離れて見ても読める大きさか?
- フォントは読みやすく、太さも適切か?
- 行間・字間は詰まりすぎていないか?
- 重要な情報は大きく、目立つ配置になっているか?
- 印刷前に実寸サイズでプリントして確認したか?
まとめ

ポスターはただ大きくすれば良いわけではなく、「伝えたい情報の優先度」や「見る人の位置」を意識して、フォントサイズを調整する必要があります。
最も大切なのは
- 「遠くからでも目立つ」タイトル
- 「読み進めやすい」本文の構造
- 「実寸サイズでのテスト」
この3つを意識してフォントサイズを設計すれば、誰でもプロっぽいポスターデザインに近づけます。
以上、ポスターのフォントサイズについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

