ポスターにおける「余白」は、視認性、バランス、美的効果、情報伝達の明確さにおいて非常に重要な要素です。
ただ単に「空いているスペース」というわけではなく、デザインの一部として意図的に設計されるものです。
以下では、ポスターにおける余白の基本的な考え方、種類、設計上の注意点、そして効果的な活用法について詳しく解説します。
目次
余白とは何か
余白(マージン、ホワイトスペースとも呼ばれます)は、文字や画像が配置されていない空白のスペースのことです。
この空白は単なる「空いている場所」ではなく、デザインの一部として機能します。
余白の種類と役割
外側の余白(マージン)
- ポスターの端からデザインエリアまでのスペース。
- 印刷時に切り取られる可能性があるため、安全領域(セーフティゾーン)としても考慮される。
- 目安として、上下左右に10mm~20mm程度の余白を設けるのが一般的。
内側の余白(パディング)
- テキストや画像と、その周囲の他要素との間にあるスペース。
- 情報が詰まりすぎないようにして可読性を高める。
- 例えば見出しと本文の間や、画像とキャプションの間に設ける余白。
要素間の余白(ガッターやスペース)
- コンテンツ要素同士の間にあるスペース。
- 複数の要素(テキスト、画像、図形など)をグループ化または区分化するために使われる。
- 間隔を揃えることで、整った印象になる。
意図的な“空白”
- あえて何も置かないスペース。視線を誘導したり、強調したい要素を際立たせるために使われる。
- 「引き算の美学」として、日本や北欧のデザインでよく見られる手法。
余白が果たす機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 視認性の向上 | 文字や画像がぎゅうぎゅう詰めにならず、見やすくなる。 |
| 情報の階層化 | 要素のグループごとに空間を作ることで、読む順序や重要度を伝える。 |
| 美的効果 | ゆとりあるデザインが、洗練された印象や高級感を与える。 |
| 視線誘導 | 空間によってユーザーの目線の流れをコントロールできる。 |
| 強調効果 | 空白の周囲に要素を配置することで、それを際立たせる。 |
デザイン時に考慮すべきポイント
均等性とリズム
- 見た目のバランスを保つために、余白の比率を揃えるとよい。
- 例えば、上下左右で同じマージンをとると安定感が出る。
- セクションごとに一定の間隔を保つことで、整った印象に。
情報量とのバランス
- 情報が多すぎると余白を削らざるを得なくなるが、余白を犠牲にすると可読性が損なわれる。
- 重要な情報を絞って、引き算の編集を意識する。
文字の周囲に適切なパディングを
- 特に見出しや本文の周囲には、1文字分~2文字分程度の空間を確保すると読みやすい。
余白をデザインの「一部」として扱う
- 余白もレイアウトの構成要素。色、形、情報と同様に意図的に設計する。
ポスターのサイズ別余白の目安
| ポスターサイズ | 推奨マージン(外余白) |
|---|---|
| A4(210×297mm) | 10mm程度 |
| A3(297×420mm) | 15mm程度 |
| B2(515×728mm) | 20~25mm程度 |
| B1(728×1030mm) | 25~30mm程度 |
※印刷所によって塗り足し(3mm程度)が必要なこともあるため、印刷前には仕様書を確認することが重要です。
実例:余白の使い方で印象がどう変わるか?
良い例(余白あり)
- タイトルの上下に余白があり、視線が自然にそこに向かう。
- 写真の周囲に空間があり、主題が際立つ。
- セクションごとにスペースがあり、情報が整理されている。
悪い例(余白なし)
- 文字や画像がギュウギュウに詰め込まれていて読みづらい。
- 全体に圧迫感があり、見る気が起きない。
- 情報のまとまりが不明瞭で、目線が迷う。
まとめ

余白は単なる「空白」ではなく、見る人の目と心に“呼吸”を与える設計要素です。
文字や画像を配置するだけでなく、それらの「間」にも意味を持たせることで、ポスター全体の印象と伝達力が大きく向上します。
デザインの完成度を高めたいなら、まずは余白を意識することから始めるのが有効です。
以上、ポスターの余白についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

