名刺が秘密情報に該当するかどうかは、法律、企業の情報管理方針、個人情報保護の観点によって異なります。
以下のポイントから詳しく説明します。
名刺に含まれる情報の性質
名刺には通常、以下のような情報が記載されています。
- 氏名
- 会社名・部署名
- 役職
- 電話番号(会社・携帯)
- メールアドレス
- 会社の住所
- ウェブサイト URL
これらの情報は一般的に公開されていることが多いため、「秘密情報」として厳格に扱われることは少ないです。
しかし、以下のようなケースでは秘密情報に該当する可能性があります。
法的な観点
個人情報保護法(日本)
日本の「個人情報保護法」では、個人を特定できる情報は「個人情報」に該当します。
名刺に記載された氏名・電話番号・メールアドレスなどが、個人を識別できる要素を持つ場合は、個人情報として取り扱う必要があります。
ただし、「企業の代表電話番号」や「部署の代表メールアドレス」のように、個人を特定しない情報は個人情報には該当しません。
また、個人情報保護法は、個人情報を「個人データ」としてシステム管理する場合に厳格なルールを適用します。
そのため、単に名刺を受け取るだけでは問題になりませんが、名刺をデータベースに登録し、営業リストなどに活用する場合には、本人の同意が必要になるケースがあります。
不正競争防止法(営業秘密)
名刺が企業の内部情報や取引先情報を含む場合、「営業秘密」に該当する可能性があります。
営業秘密として扱われるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 秘密管理性(秘密として管理されていること)
- 有用性(事業活動に有益であること)
- 非公知性(一般には公開されていないこと)
例えば、取引先の担当者の直通電話番号や、社外非公開のメールアドレスが記載された名刺が、秘密管理の対象となっている場合、その情報を第三者に漏洩すると「不正競争防止法」に違反する可能性があります。
企業の情報管理方針
企業によっては、名刺に記載された情報を「社外秘」として扱う場合があります。
特に以下のような企業では、名刺情報の取扱いが厳しく制限されることがあります。
- IT・セキュリティ企業(エンジニアの連絡先などが攻撃対象になる可能性がある)
- 金融機関(顧客情報や取引情報の流出リスクがある)
- 医療機関(医師・研究者の個人情報が機密情報となることがある)
- 大手メーカー(特定の担当者としか取引できないような情報を含む場合)
社内ルールによって、名刺情報を社外へ持ち出すことや、無断で第三者に渡すことが禁止されている場合もあります。
実務上の注意点
名刺の取り扱い
- 受け取った名刺を無断で第三者に渡さない。
- 名刺をデータ化する場合は、本人の同意を取るのが望ましい。
- 企業の秘密情報に該当する場合は、厳重に管理する。
- 破棄する際はシュレッダー処理を行う。
SNSやインターネットでの公開
最近では、企業の公式サイトやLinkedInなどのビジネスSNSで名刺に記載されている情報が公開されていることがあります。
しかし、これを理由に他人の名刺をインターネット上に勝手に掲載すると、プライバシー侵害や名誉毀損に当たる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ

名刺に記載された情報が秘密情報に該当するかどうかは、以下の要因によって変わります。
| 名刺の情報 | 個人情報保護法 | 不正競争防止法(営業秘密) | 一般的な秘密情報 |
|---|---|---|---|
| 氏名 | ○(個人情報) | × | × |
| 会社名・部署 | × | × | × |
| 役職 | × | × | × |
| 会社代表電話 | × | × | × |
| 個人の携帯番号 | ○ | △(管理状況による) | ○ |
| 会社のメールアドレス | ○(個人を特定できる場合) | △(管理状況による) | ○ |
| 社外非公開の情報 | ○(個人情報の可能性) | ○ | ○ |
- 名刺そのものは「一般公開されることが多い情報」なので、通常は秘密情報には該当しない。
- ただし、個人の携帯番号や社外非公開のメールアドレスなどは、企業の秘密情報や個人情報に該当することがある。
- 名刺情報を第三者に提供する際は、本人の同意を得るのが安全。
- 企業のポリシーによっては、名刺情報を「社外秘」として扱うこともあるため、慎重に取り扱うべき。
名刺の取り扱いには十分な注意を払い、情報管理のルールに従うことが重要です。
以上、名刺は秘密情報に該当するのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

