名刺が個人情報に該当するかどうかは、その名刺に記載されている情報の内容と、その情報がどのように扱われるかによります。
ここでは、日本の個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)をもとに詳しく説明します。
個人情報とは?
日本の個人情報保護法では、「個人情報」を次のように定義しています。
「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別できるもの。(個人情報保護法第2条)
また、「個人識別符号」が含まれる場合も個人情報に該当します。
個人識別符号とは、指紋データや顔認識データなど、個人を一意に識別できる情報を指します。
名刺は個人情報にあたるのか?
結論から言うと、名刺は基本的に個人情報に該当します。
理由は以下の通りです。
名刺の情報が個人を特定できる
一般的な名刺には以下の情報が記載されています。
- 氏名
- 会社名・部署名・役職
- 住所(勤務先の所在地)
- 電話番号(勤務先の番号)
- メールアドレス
- WebサイトURL
この中で、「氏名」や「メールアドレス」などの情報は、それだけで個人を識別できるため、個人情報に該当します。
また、仮に「会社名+役職」だけでは個人が特定できなくても、氏名が加わることで特定可能となるため、名刺全体としては個人情報に該当すると考えられます。
勤務先情報も個人情報に該当する場合がある
会社の連絡先や住所は、一般的には「法人情報」にあたるため、個人情報とはみなされません。
しかし、以下のような場合は個人情報に該当する可能性があります。
- フリーランスや個人事業主の名刺:会社名の代わりに個人名を記載し、自宅住所や個人の電話番号を記載している場合は「個人情報」として扱われる。
- 会社の代表者名と個人のメールアドレスが一体化している場合:例えば「tanaka@○○.co.jp」のようなメールアドレスが、個人を特定できる場合は個人情報と判断される可能性がある。
どのように扱うべきか?
名刺が個人情報に該当する以上、その取り扱いには慎重になる必要があります。
名刺交換の場面
名刺交換はビジネスの場面でよく行われますが、名刺を受け取ったからといって自由に利用できるわけではありません。
- 受け取った名刺を第三者に渡す:名刺に書かれた情報を相手の許可なく他人に渡すことは、個人情報保護法の観点から問題になる可能性があります。
- メールアドレスを勝手にメルマガに登録する:名刺をもらっただけで、そのメールアドレスを勝手にメルマガ登録するのはNGです。事前に「メルマガを送ってもよいか?」と確認を取るのが望ましいです。
名刺をデータ化する場合
名刺をデジタル化(スキャンやOCRを利用)して管理する場合、以下の点に注意が必要です。
- 適切な管理を行う:デジタルデータとして管理する場合、不正アクセスや情報漏洩を防ぐために適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
- 不要になったら適切に廃棄する:名刺データを不要と判断したら、適切な方法で削除・廃棄(シュレッダーなど)することが重要です。
名刺の利用目的を明確にする
名刺の情報を利用する場合は、相手に目的を伝え、必要に応じて同意を得ることが望ましいです。
- 「お名刺をいただいたので、後ほどご連絡を差し上げてもよろしいでしょうか?」と確認する
- ウェブサイトなどで「名刺の管理ポリシー」を明示する
- 名刺管理ツールを利用する場合は、プライバシーポリシーを確認する
名刺の取り扱いに関する法律やガイドライン
名刺をどのように扱うべきかについては、以下の法律やガイドラインも関係します。
個人情報保護法
個人情報保護法では、個人情報を適切に取り扱う義務を定めています。
特に、個人情報を第三者に提供する場合には、本人の同意が必要となることがポイントです。(個人情報保護法第23条)
GDPR(EU一般データ保護規則)
もし日本で受け取った名刺を欧州連合(EU)で利用する場合、GDPR(EU一般データ保護規則)に基づく管理が必要になります。
GDPRでは、個人データの処理には明確な同意が求められるため、慎重に対応しなければなりません。
まとめ

名刺は、氏名やメールアドレスなどの情報が含まれるため、基本的に個人情報に該当します。
特に、個人事業主やフリーランスの名刺、自宅住所・個人用の連絡先が含まれる場合は、より慎重な管理が求められます。
名刺を適切に扱うためのポイント
- 名刺交換の際は、目的を明確にする(営業メールの送信は事前許可を取る)
- 名刺をデジタル化する場合は、セキュリティ対策を徹底する
- 名刺情報を第三者に提供する場合は、本人の同意を得る
- 不要になった名刺は適切に処分する(シュレッダーなどを利用)
名刺の取り扱いを適切に行うことで、個人情報保護の観点からも信頼を得ることができます。
以上、名刺は個人情報にあたるのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

