年賀状は、日本において長く定着してきた年始の挨拶文化です。
ただし実際の文章では、「年賀状」という言葉をそのまま使わず、別の表現に言い換えるケースが非常に多いのが特徴です。
これは単なる言葉の言い換えではなく、
- 相手との関係性
- 文書の格式
- 媒体(はがき・手紙・メール・SNS)
に応じて、最適な日本語表現を選ぶためです。
以下では、「年賀状」の代替として使われる表現を、意味・ニュアンス・使用シーン別に、正確さを重視して解説します。
万能に使える基本的な言い換え表現
新年のご挨拶
「年賀状」の言い換えとして、もっとも一般的で汎用性が高い表現です。
特徴
- フォーマル・カジュアルどちらにも対応
- 個人・ビジネスの両方で使用可能
- 書き言葉・話し言葉どちらでも自然
例文
- 「新年のご挨拶を申し上げます」
- 「本年も新年のご挨拶を兼ねてご連絡いたしました」
年賀状を送る行為や、新年に挨拶する意味合いを過不足なく表現できるため、迷った場合はこの表現が最も安全です。
年始のご挨拶
「年始」は年が明けて間もない時期を指す言葉で、「新年のご挨拶」よりやや改まった印象があります。
特徴
- 丁寧で落ち着いた表現
- 目上の人・取引先向けにも使いやすい
例文
- 「年始のご挨拶として、一筆申し上げます」
年賀状本文に適した文語的な表現
新春のご挨拶
「新春」は正月らしい季節感と華やかさを含む言葉で、年賀状の本文冒頭によく用いられます。
特徴
- 文語的で格調がある
- 和風・伝統的な年賀状と相性が良い
例文
- 「新春のご挨拶を申し上げますとともに、皆様のご多幸をお祈りいたします」
謹んで新年のご挨拶を申し上げます
格式を高めたい場合に使われる、非常に自然で定番の表現です。
ポイント
- 「賀正」などの賀詞よりも文章として安定
- 目上の方・公式寄りの年賀状に適する
賀詞についての正しい位置づけ
謹賀新年/恭賀新年/賀正/迎春 など
これらは「年賀状の別の言い方」ではなく、賀詞(がし)と呼ばれるお祝いの見出し語です。
注意点
- 「賀正のご挨拶を申し上げます」のような使い方は、意味は通るもののやや不自然
- 通常は、年賀状の上部に単独で配置する
自然な構成例
謹賀新年
旧年中は大変お世話になりました。
本年も変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
賀詞は文章の代替ではなく、装飾的・象徴的な役割と理解するのが正確です。
ビジネスシーンでの言い換え表現
年頭のご挨拶
「年頭」は年のはじめ全体を指し、公式文書・社内外向け挨拶文で多用される硬い表現です。
使用例
- 「年頭にあたり、ご挨拶申し上げます」
社長挨拶文や会社としてのコメントに適しており、個人の年賀状にはやや堅すぎる場合があります。
年始のご挨拶(挨拶状)
ビジネスでは「年賀状」という言葉を避け、「年始のご挨拶」「年始のご挨拶状」と表現することがあります。
※ただし、「年賀状」と「挨拶状」は完全に同義ではなく、会社文書として送る年始の挨拶という意味合いが強くなります。
カジュアル・デジタル向けの言い換え
お正月のご挨拶
親しみやすく、家族・友人向けに自然な表現です。
例
- 「お正月のご挨拶です。今年もよろしくお願いします」
新年のメッセージ
メールやSNSなど、紙の年賀状以外でよく使われる現代的な表現です。
特徴
- 媒体を限定しない
- カジュアルからやや丁寧まで幅広く対応
年賀状の言い換え表現・使い分け早見表
| 表現 | フォーマル度 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 新年のご挨拶 | 中 | 万能・迷ったらこれ |
| 年始のご挨拶 | やや高 | 目上・取引先 |
| 新春のご挨拶 | 高 | 年賀状本文 |
| 謹んで新年のご挨拶 | 高 | 丁寧・公式寄り |
| 年頭のご挨拶 | 非常に高 | 企業・公式文書 |
| お正月のご挨拶 | 低〜中 | 家族・友人 |
| 新年のメッセージ | 低〜中 | メール・SNS |
| 謹賀新年/賀正 等 | 別枠 | 賀詞(見出し) |
まとめ
「年賀状」はあくまで媒体の名称であり、本質は新しい年を迎えたことを伝え、今後の関係を願う挨拶です。
そのため、
- 相手
- 文書の格式
- 送る手段
に応じて、「新年のご挨拶」「年始のご挨拶」などへ言い換えることで、より自然で洗練された日本語表現になります。
以上、年賀状の別の言い方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

