印刷における乳化(にゅうか)とは、油性のインキと水が混ざり合ってしまう現象を指します。
この現象は、特にオフセット印刷で問題となりやすいです。
オフセット印刷では、水(湿し水)と油性インキを同時に使用するため、適切に管理されないと乳化が発生しやすくなります。
目次
乳化のメカニズム
オフセット印刷では、印刷版の非画像部分に湿し水を供給し、インキがその部分に付かないようにします。
しかし、インキと湿し水が適切に分離されていない場合、インキが湿し水を吸収し、混ざり合ってしまうことがあります。
このとき、インキ内に微細な水滴が分散し、インキが「乳化」します。
乳化の影響
乳化が発生すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
印刷品質の低下
- インキの流動性が変化し、適切に転写されなくなるため、印刷物の色ムラや濃淡のばらつきが発生する可能性があります。
- 乳化したインキは、乾燥時間が長くなり、印刷物が汚れやすくなることがあります。
色調の変化
- 乳化によってインキの色が変わることがあり、意図した色が出なくなることがあります。特に、高品質の印刷物や、色の再現性が重要な場合には大きな問題となります。
紙の平滑性や乾燥への影響
- 乳化したインキが紙に吸収されると、紙の平滑性が低下したり、乾燥が遅くなったりすることがあります。これにより、印刷物の仕上がりが悪くなる可能性があります。
乳化の原因
乳化が起こる主な原因として、以下の点が挙げられます。
湿し水の過剰供給
- 湿し水が多すぎると、インキが湿し水を吸収しやすくなり、乳化が進行します。
インキの粘度や流動性の不適切な調整
- インキの粘度が低すぎると、湿し水を吸収しやすくなり、乳化が発生しやすくなります。
温度や湿度の影響
- 印刷環境の温度や湿度が適切でないと、湿し水とインキのバランスが崩れ、乳化が発生しやすくなります。
乳化の防止策
乳化を防止するためには、以下の対策が有効です。
湿し水の管理
- 湿し水の量を適切に調整し、必要以上に供給しないようにすることが重要です。また、湿し水の品質やpHの管理も重要です。
インキの調整
- インキの粘度や流動性を適切に調整し、乳化を防ぐようにします。特に、インキの選定時に乳化耐性が高いものを選ぶことが推奨されます。
印刷機の定期的なメンテナンス
- 印刷機のメンテナンスを定期的に行い、湿し水やインキの供給システムが正常に機能していることを確認することが重要です。
環境条件の管理
- 印刷環境の温度や湿度を適切に保ち、湿し水とインキのバランスが崩れないようにすることが大切です。
まとめ

乳化は、印刷品質に直接的に影響を与える重要な要素です。
特にオフセット印刷では、インキと湿し水のバランスが崩れることで乳化が発生し、印刷物にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
適切な湿し水とインキの管理、環境条件の調整、定期的なメンテナンスを行うことで、乳化を防ぎ、安定した高品質の印刷を実現することができます。
以上、印刷の乳化についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

