「はがきのミックス紙」という表現は、一見すると印刷用紙の正式名称のように見えますが、実際には文脈によって意味が大きく異なる曖昧な言葉です。
そのため、前提を整理せずに説明すると誤解が生じやすく、注意が必要です。
以下では、混同されやすい意味を切り分けたうえで、正しい理解を示します。
「ミックス紙」は印刷用紙の正式な紙種名ではない
まず重要な点として、「ミックス紙」という名称は、上質紙・コート紙・マット紙のような“印刷用紙の分類名”ではありません。
印刷・製紙の業界において「ミックス」という言葉は、
- 原料構成
- 認証区分
- 回収・分別カテゴリ
など、紙の性質そのものではない要素を指す場合に使われることが多く、「ミックス紙=こういう質感・性能の紙」と一義的に定義することはできません。
「はがきのミックス紙」で最も多い2つの意味
実務上、「はがき」「ミックス紙」という言葉が並んで使われる場合、主に次の2パターンが考えられます。
FSCミックス紙(FSC認証区分としての「ミックス」)
最も一般的なのがこのケースです。
FSC認証では、紙の原料構成に応じて
- FSC 100%
- FSCミックス
- FSCリサイクル
といった区分があり、「FSCミックス紙」とは、FSC認証原料・管理材・再生材などが一定基準のもとで混在している紙を指します。
この場合の「ミックス」は環境認証上の区分であって、紙の質感・厚み・印刷適性を示す言葉ではありません。
つまり、
- 上質紙でも
- コート紙でも
- マット紙でも
FSCミックス認証であれば「ミックス紙」と表記される可能性があります。
ミックス紙(ミックスペーパー)=資源回収・分別上の分類
もう一つは、自治体や回収業者が使う分別用語としてのミックス紙です。
これは
- 新聞
- 雑誌
- 段ボール
以外の紙類をまとめた分類で、封筒・チラシ・コピー用紙・はがきなどが含まれることがあります。
この「ミックス紙」は印刷用紙の種類ではなく、リサイクルの区分名称であり、紙質や用途を説明する言葉ではありません。
よくある誤解と注意点
「ミックス紙=非塗工紙」ではない
ミックス紙という言葉だけでは、
- 非塗工か
- 塗工紙か
を判断することはできません。
非塗工紙(上質紙など)であるかどうかは、紙種名を別途確認する必要があります。
「ミックス紙はこの厚みが主流」という言い方は不正確
はがきでよく使われる
- 180kg
- 200kg
といった斤量は、「はがき用途全体でよく使われる厚み」であって、ミックス紙固有の標準値ではありません。
斤量は
- 私製はがき
- DMはがき
- 印刷会社の商品設計
によって決まるもので、「ミックス」という言葉とは直接関係しません。
紙の手触り・滑り・反りを「ミックス紙の特徴」と断定できない
紙の
- 滑りやすさ
- 反りにくさ
- コシ
といった物性は、
- 塗工の有無
- 繊維配合
- 製紙設計
によって決まります。「ミックス紙だからこうなる」と言い切ることはできず、個別の紙銘柄ごとの話になります。
実務での正しい確認方法
「はがきのミックス紙」という表現を見たときは、次の点を確認すると意味が特定できます。
FSCミックス紙かどうかの判断ポイント
- 仕様欄に「FSC」や「森林認証」の記載がある
- 「FSC認証(ミックス)」という表現が使われている
→ この場合は環境認証区分の話です。
分別カテゴリのミックス紙かどうかの判断ポイント
- ゴミ分別・回収・リサイクルの文脈
- 「新聞・雑誌・段ボール以外」といった説明
→ これは回収区分の名称です。
まとめ
- 「ミックス紙」は紙質を示す正式な印刷用紙名ではない
- はがきに関して使われる場合、
- FSC認証区分
- 資源回収・分別区分
のどちらかであることがほとんど
- 印刷適性・厚み・風合いを知りたい場合は、
必ず「上質紙」「コート紙」などの紙種名を別途確認する必要がある
以上、はがきのミックス紙についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

