年賀状は日本独自の文化として長く親しまれてきましたが、「私的な挨拶だから大丈夫だろう」という感覚で作ってしまうと、実は著作権の観点で問題が生じるケースがあります。
とくに最近は、デジタル年賀状やSNS投稿、印刷サービスの高度化により、著作権侵害が起こりやすい環境になっています。
ここでは、年賀状を作成・送付する際に必ず押さえておきたい著作権のポイントを、実例を交えながら詳しく解説します。
そもそも年賀状に著作権は関係あるのか?
結論から言うと、大いに関係あります。
著作権法では、以下のようなものが「著作物」として保護されています。
- イラスト・写真
- キャラクターデザイン
- 書道作品・文字デザイン
- 音楽・歌詞(QRコードで動画にリンクする場合など)
- デザインテンプレート
年賀状は「印刷物」ですが、その中身に他人の著作物を使っていれば著作権法の対象になります。
よくあるNG例と注意点
キャラクター(アニメ・漫画・ゲーム)の無断使用
最も多いトラブル原因です。
- アニメキャラをそのまま印刷
- 有名キャラクターをトレースして描いた
- フリー素材風に見えるキャラ画像を使用
これらは原則すべてNGです。
「自分で描いたからOK」は誤解
たとえ自分で描いたとしても、元のキャラクターの著作権は消えません。
二次創作であっても、年賀状のように印刷して配布する行為は、私的利用の範囲を超えると判断される可能性があります。
写真・イラスト素材サイトの利用条件違反
最近は素材サイトを使う方も多いですが、ここも要注意です。
- 無料素材でも「個人利用のみ可」の場合がある
- 商用年賀状(企業名・屋号入り)はNGなことがある
- 再配布・印刷枚数制限がある場合も
特に以下のケースは注意が必要です。
- 会社名やロゴを入れた年賀状
- 営業目的(顧客・取引先への送付)
- SNSやWebサイトで公開
必ず利用規約を確認しましょう。
フォント(書体)の著作権・使用許諾
意外と見落とされがちなのがフォントのライセンスです。
- 無料フォントでも「商用利用不可」のものがある
- 年賀状印刷=商用利用と判断されることがある
- Webフォントを画像化して使うのはNGな場合も
特に、「謹賀新年」「賀正」などをデザインフォントで装飾する場合は注意が必要です。
有名人・芸能人・スポーツ選手の写真
- 雑誌やネットから拾った写真
- テレビのスクリーンショット
- AI生成風に加工した画像
これらは著作権だけでなく、肖像権・パブリシティ権の問題も絡みます。
年賀状であっても無断使用は基本的にNGです。
「私的利用ならOK」の正しい理解
著作権法では「私的利用」が認められていますが、年賀状は必ずしも私的利用とは限りません。
私的利用と認められやすい例
- 家族間のみでやり取り
- ごく少数の親しい友人宛
- 完全な個人用途で、公開・配布しない
私的利用になりにくい例
- 数十〜数百枚印刷して送付
- 会社・店舗名入り
- SNSやブログに画像を掲載
- 印刷業者を使って制作
「不特定多数」「業者を介する」「公開する」この3つが揃うほど、私的利用とは見なされにくくなります。
安全に年賀状を作るための実践ポイント
オリジナル素材を使う
- 自分で撮影した写真
- 完全オリジナルのイラスト
- 自作の文字・ロゴ
これが最も安全で自由度も高い方法です。
年賀状印刷サービスの公式テンプレートを使う
多くの年賀状サービスでは、
- 著作権処理済み
- 印刷・配布OK
- 商用利用可のものも多い
といった安心設計のテンプレートを提供しています。
フリー素材は「商用可・印刷可」を明確に確認
チェックすべきポイントは以下です。
- 商用利用可か
- 印刷物への使用可か
- クレジット表記が必要か
- 加工・改変の可否
不明点があれば、使用しない判断も大切です。
AI画像生成を使う場合の注意点(近年重要)
最近増えているのが、AI生成画像を年賀状に使うケースです。
注意点としては、
- 学習元に著作物が含まれている可能性
- 有名キャラ・作風に酷似すると問題になる
- 商用利用可否はAIサービスごとに異なる
利用規約+生成内容の独自性の両方を確認する必要があります。
まとめ|年賀状は「軽い制作物」ほど注意が必要
年賀状はカジュアルな印象がありますが、
- 印刷される
- 配布される
- 記録として残る
という点で、著作権的にはしっかりした「利用行為」に該当します。
最低限覚えておきたいポイント
- キャラクター・写真・フォントは要注意
- 「自分用」「非公開」でも完全に安全とは限らない
- 利用規約の確認は必須
- 迷ったら「使わない」が最も安全
以上、年賀状で気をつけるべき著作権のポイントについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

