はがきの文章は、限られた紙面で要件と心遣いを過不足なく伝える文章形式です。
手紙と同じ文語的な型を持ちながらも、簡潔さ・省略・配置の美しさが強く求められる点が特徴です。
以下では、① 基本構成 → ② 各要素の正しい役割 → ③ 用途別の注意点 → ④ 表記・マナーの順で、誤りのない形で解説します。
はがき文章の基本構成
はがきの文章は、次の要素で構成されるのが基本です。
- (必要に応じて)頭語
- 時候の挨拶+相手への気遣い
- 本文(主文)
- 結びの挨拶
- (頭語を用いた場合)結語
- 日付
- 差出人名(署名)
※すべてを必ず入れる必要はなく、用途と相手との関係によって取捨選択します。
各構成要素の正しい書き方
頭語
文章の冒頭に置く、改まった書き出しの言葉です。
- 目上・公的・改まった相手:
「拝啓」「謹啓」 - 親しい相手・私信:
省略するのが一般的
※はがきは紙面が限られるため、頭語・結語は省略されることが多い点が、手紙との大きな違いです。
時候の挨拶
季節を表す言葉に、相手の安否や健康を気遣う一文を添えます。
改まった表現(例)
- 「春暖の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」
- 「厳寒の候、皆様におかれましてはご健勝のことと拝察いたします」
柔らかい表現(例)
- 「寒い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか」
- 「暑さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか」
※季節と表現が一致していることが重要です。
本文(主文)
はがきの中心となる部分で、1〜3文程度が適量です。
書き方の原則
- 用件は簡潔に
- 結論を先に書く
- 話題は一つに絞る
例(近況)
さて、私事ではございますが、無事に新しい環境での生活を始めました。
慣れない点も多いながら、日々充実した毎日を送っております。
例(お礼)
先日は温かいお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
結びの挨拶
本文を受けて、相手の健康や今後の関係を願う言葉を書きます。
- 「今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
- 「季節柄、どうぞご自愛ください」
- 「皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます」
結語
頭語を使った場合のみ、文章の最後に添えます。
| 頭語 | 結語 |
|---|---|
| 拝啓 | 敬具 |
| 謹啓 | 謹言 |
※頭語と結語は必ず対にします。
日付
正式な挨拶状・ビジネス用途では入れると丁寧です。
- 例:
令和八年二月
(二月吉日 なども可)
差出人名(署名)
文章の最後に、フルネームで記載します。
必要に応じて、家族連名・会社名・肩書きを添えます。
用途別の注意点
暑中見舞い・寒中見舞い
- 頭語・結語は使わない
- 冒頭に定型表現を書く
例
暑中お見舞い申し上げます。
猛暑が続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
くれぐれもご自愛ください。
喪中はがき
- お祝いを連想させる表現は避ける
- 事実は簡潔に、感情表現は控えめに
例
喪中につき、年始のご挨拶を失礼させていただきます。
本年○月、母○○が逝去いたしました。
何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
※「逝去」「他界」「永眠」などは、文調に合わせて選びます。
ビジネスはがき
- 敬語を正確に
- 私的感情は抑える
- 署名・日付は原則記載
表記・レイアウトの注意点
句読点の扱い
- 非常に改まった儀礼文:句読点を使わない流儀がある
- 一般的な私信・通常のビジネス:読みやすさを優先し、句読点を使って問題なし
文字数の目安
- 1行10〜12文字程度が整いやすい
- 詰め込みすぎないことが最優先
避けた方がよい表現
- 口語的すぎる表現
- 絵文字・記号の使用
- 季節に合わない時候の挨拶
まとめ
はがきの文章で最も重要なのは、
- 型を理解し
- 相手と用途に合わせて省略・調整し
- 簡潔にまとめること
です。
この基本を押さえれば、私信・ビジネス・慶弔いずれのはがきでも、失礼のない、品のある文章になります。
以上、はがきの文章の書き方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

